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【書評】言葉にできるは武器になる(梅田悟司 著)。心に響く言葉は「内なる言葉」から生まれる

 

メールやTwitter、FacebookなどのSNSを日常的に使うようになり、より言葉で伝える機会が増えました。

しかし「気の利いた言葉や文章が出ない」「いつもワンパターンになってしまう」と思うことはありませんか?

今回ご紹介するのは、トップコピーライターである著者が、1人でも多くの人の心に響く言葉を生み出すプロセスが書かれた本。
缶コーヒー(ジョージア)の「世界は誰かの仕事でできている」や「この国を、支える人を支えたい。」を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか

「言葉にできないことは、考えられていないのと同じ」と厳しい部分もありますが、とても参考になりました。

 

大事なのは言葉ではなく「伝えたい思い」

言葉より意見を育てる

理工学研究科を卒業し電通に入社した著者。コピーライターになりたての頃は、人の心に響く言葉を生み出せずにいた時期が長く続いたそう。

どうしたらよいかを考え続けた結果、1つのシンプルな結論に達しました。

言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?

伝えたい思い

 

言葉には2種類ある

言葉が出てくるためには2つのプロセスが必要で、本書のテーマとなる2つの言葉がこちら。

  1. 「内なる言葉」→意見を育てる
  2. 「外に向かう言葉」→意見を言葉に変換する

実際に書いたり話したりする2の「外に向かう言葉」に私たちは注目しがちですが、1の「内なる言葉」を磨くことで心に響く言葉が出てくると著者は気づきました。

「内なる言葉」とは、物事を考えたり感じたりする時に無意識のうちに頭の中で発している言葉。例えば公園で花を見かけて「キレイ」「写真撮ろう」というように、です。

確かに考えていないことは口にできませんし、不意を突かれた時はつい本音が出てしまいますよね。

 

言葉には2種類

 

「内なる言葉」を磨くには?

「頭ではわかっていても、誰かに説明しようとすると言葉に詰まる」という経験は誰でもあるのではないでしょうか。

厳しいようですが、これは「なんとなく考えている」「考えたつもり」の状態。「言葉にできるほどには考えられていない」と同じで、相手には何も伝わりません

著者によると、「内なる言葉」を磨くための方法は今自分が何を考えているかを言葉にする訓練を日頃からすることだそう。

頭の中で考えていることを言葉にすると、

考えたつもりのことがハッキリ形になる
 ↓
より深く考えることができる
 ↓
伝えたい思いが大きくなる
 ↓
言葉に重みや深みが加わる

と、より相手の心に響く言葉になります。

 

まとめ

  • 言葉は2種類(内なる言葉と外に向かう言葉)
  • 内なる言葉に意識を向ける
  • 自分の考えを言葉にする積み重ね→相手の心に響く言葉

「内なる言葉」をいつも意識するという地道な作業ですが、道具は要らないので今すぐにでも始められるのではないでしょうか。

「言葉は人格を表す」という言葉通りだと感じました。私もコツコツしていきたいです。

プロが行う具体的な戦略も紹介されており、ブロガーさんなど文章を書く方はもちろん、「気の利いたことを言えるように」「ボキャブラリーを増やしたい」と思う方におすすめです。

 

↓ビジネス書・お片づけ・健康と、ジャンルを問わず本を読むのが好きです↓
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